ものの起源

なぜだか理由はわからないけど、無性に心惹かれるものってありませんか?

私は「ものの起源」にとても心惹かれます。

日本語のルーツはどの言語・どの地域なのか、最初に音階を決めた人はなぜそれが人間にとって心地よい音だとわかったのか、最初になまこを食べた人は何を思ってあんなゲテモノを食べてみようと思ったのか…などなど、今までに想像を巡らせたものの起源は多々あるのですが。

 

そんな私にとって魅力的な生き物の一つが「生きた化石」です。

シーラカンスオオサンショウウオ。何万年も前から姿を変えず生きているなんてロマン感じますよね。

中学生の頃、雑誌『ニュートン』で初めてシーラカンスという生き物を知ってからしばらくの間シーラカンスにはまり、友達に不気味がられたのはいい思い出です。

それから何年後かにカナダへ留学した際、バンクーバーの水族館でシーラカンスのはく製と対面した時には、生き別れた家族と再会したような感動を味わったとかそうでもないとか…

 

生きた化石といえば、シーラカンス以外にもオウムガイカブトガニなど有名ですが、どれも見た目は結構グロテスクですよね。しかもやたらデカイ。

ゴキブリも生きた化石の条件を満たす生き物らしい。そんな身近に生きた化石がいるとは思ってもみませんでした。まぁ、これは出会ったとしても感動なんか微塵も感じないでしょうか。(関東に引っ越して8ヵ月。未だお目にかかっていません。万歳!)

こんな大きくてグロテスクな生き物がわんさかいた地球なんて想像するだけで怖いかも。間違ってもタイムスリップなんてしたくないし、ジュラシックワールドもお断りですね。

実際に見たり触ったりするのは怖いな、と思いつつそれでも怖いもの見たさで映像や写真を見てしまう、そんな不思議と心惹かれてしまうのが生きた化石の魅力です。

 

さて、そんな私ですが昨日、村上春樹の紀行文集『ラオスにいったい何があるというんですか?』を読んでいたところ、アイスランドの紀行文の中で「アイスランド語は古代ノルウェイ語を起源とし西暦800年頃から構造が変わっていない。日本でいえば源氏物語の書かれた頃に使われていた日本語を今も使っているようなものだ。」という旨の記述がありとてもびっくりしました。

言葉と言えば、人が地域から地域へ移動する中で影響を受け徐々に変わっていくのが常であり、また技術の流入・発展によって外来語が入ってきたり、はやりすたりで新しい言葉が生まれたり…変化させるつもりなどなくても、知らず知らずのうちに変わってしまうのが言葉というものでしょう。

それなのに!1200年以上も言葉を守り続けてきたアイスランド人はなんてすごいんでしょう!素敵!ロマンチック!とテンションが上がってしまいました。

 

今まで、アイスランドってアイルランドとは違うの?くらいの印象しかなかったのですが、アイスランド語のことを知り俄然興味がわいてきました。

そういえば最近、高校の同級生がワーホリでアイスランドに行ってるって言ってたな!と思い出し、さっそくFacebookで友達のページを見てみたところ、アイスランドじゃなくてアイルランドだった…紛らわしいよ…

 

そんなこんなで、今日もものの起源に思いをはせ、一人ロマンに浸る私でした。

 

※ネットでちょっと調べてみたら、音階を最初に決めた人はピタゴラスだということでした。ものの起源がこうもあっさりわかってしまうと「あ、そうなんですか…」と急にさめてしまいますね。ものの起源を知りたいと思いつつも、わからない方がロマンチックで盛り上がるなんて身勝手なものです。