幸せな通勤時間

仕事を初めて早1ヵ月。

毎日片道1時間ちょっとある通勤時間は読書の時間にしています。

読むペースは2週間で文庫本3冊。こんなにコンスタントに本を読むのは学生以来です。朝の早起きはちょっと辛いけど、毎日読書の時間を持てるのは幸せなことです。

最近読んだ本は以下の通り。

 

ウォッチメイカー/ジェフリー・ディーバー

クリスマス・プレゼント/ジェフリー・ディーバー

道ありき/三浦綾子

塩狩峠三浦綾子

五分後の世界/村上龍

晩年/太宰治

 

ジェフリー・ディーバーはミステリー・サスペンス系が好きな夫の勧めで読んだんですが、ハラハラする事件の展開、そして事件が解決したかと見せかけてやってくるどんでん返しにビックリさせられる。本を読む手が止められなくなるタイプです。

また、一人ひとりのキャラクターが個性的なのも魅力的。天才犯罪学者リンカーン・ライムをはじめ、敵味方それぞれキャラクターが立ってます。私はセリットー刑事がお気に入りです。

そして、池田真紀子さんの訳が素晴らしい。翻訳本を読んでいることを忘れてしまうほど自然な日本語で、読んでいる途中に「これどういうこと?誤訳?」と戸惑わせる表現が全然ない。こんな翻訳ができるなんてあこがれちゃいます。

『クリスマス・プレゼント』は短編集だったのですが、やっぱりジェフリー・ディーバーの良さを十分に堪能するなら長編かなと思いました。

 

三浦綾子は北海道の作家でクリスチャンを主人公にした作品で有名です。

私も通っていた大学がプロテスタント系の学校だったので授業で『氷点』は読んだのですが、それっきりだったので久しぶりに読んでみました。

宗教を題材にしているので好き嫌いはわかれるのかなとは思いますが、決して読者にクリスチャンになることを強要するような話ではなく、人生について悩む主人公と一緒に悩み考えさせられる話です。三浦綾子の作品を読むと、私は自分の人生にどう向き合ってきたのだろうか、私は大切な人に愛を持って接することができているだろうか、と考えさせられます。

語り口が優しくてするすると読めてしまいます。三浦綾子の優しさがにじんでくるような語り口だと感じています。そして、最後は間違いなく号泣します。特に、三浦綾子の自伝小説である『道ありき』は感動しすぎて電車2駅分ずっと泣いてました。

 

村上龍は、もともと親の仇かと思うくらい嫌いでしたが、ますます嫌いになりました。でも、話は面白かったです。村上龍との(個人的な)因縁についてはまたいつか書きたいと思います。

 

太宰治の晩年は初期の作品集で、ちょうど太宰が不倫相手と心中未遂をした頃ということで、その事件をモチーフにした作品も何点かあります。

自分なら何かを成し遂げられるはずだ、と自信にみなぎっているかと思えば、適当に耳障りのいいことを言って周りの人をはぐらかしだましている自分に嫌気がさしたり…

ごちゃごちゃ言ってる暇があったら働け!と私だったら言ってしまいそうな、そんな揺れ動く男心が描かれています。

こんな男とは結婚したくないけど、こんな人が目の前に現れたら、母性本能がくすぐられて好きになっちゃうのかな、と太宰の作品を読んだ後はいつも考えてしまいます。

 

後1冊、借りている本があるのでそれを読み終わったら、村上春樹が『村上さんのところ』でおすすめしていた作家を片っ端から読むウィークに突入する予定です。

新しい作家・作品とのいい出会いがあるといいな、と今からワクワクしています。