子供を取り巻く世界について思うこと

先日、書店でふらふら時間を潰している時に面白い本を見つけました。

 

給食のおにいさん (幻冬舎文庫)

給食のおにいさん (幻冬舎文庫)

 

 

普段はあまり手に取らないタイプの本だったのですが、なんとなく手に取って気付いたら40分ほど立ち読みしていました。

1/3くらい立ち読みで読んでしまって、そのまま帰るのも申し訳なかったので買いました。

 

簡単に紹介すると、一流レストランを渡り歩いてきた主人公・佐々目(28歳男)が、プライドが高いのと頑固なのが災いして数々の会社で同僚や上司とケンカし、ようやく出店した自分の店を火事で焼失させ、無一文になったところで小学校の調理師(1年間の契約社員)になって子供が抱える問題に給食を通して関わっていくというストーリーです。

 

この物語の中では様々な問題を抱えた子供が出てきます。

親にネグレクトされて家でご飯を食べさせてもらえない子供、モンスターペアレントに育てられて怒ることでしか感情表現ができない子供などなど…

こういう問題ってニュースなどでも取り上げられて、認知度も高まっていることと思います。誰もが一度は耳にしたことのある問題ではないでしょうか。

 

こういった問題を目にするたびに、子供は親を選べない、子供は生まれてくる場所を選べない、という運命の残酷さを感じます。

すべての親が子供を愛し、子供の成長に必要な衣食住環境をそろえる、という当然のように思えることすら、与えられない子供がいることを思うといたたまれない気持ちになります。

 

私は年末に誕生日を迎えて28歳になりました。もうすぐ結婚して1年が経つころで、そろそろ子供のことも考えないとな、と思うことが多々あります。

そういった時に、上記のような子供を取り巻く環境を考えて、自分はどんな親になるんだろう、自分はちゃんと子供を愛せるのだろうか、と悩みます。

私は子供が嫌いだし、きっと子供ができても夫婦共働きは変えないと思う。仕事を優先して子供に寂しい思いをさせる日もあるだろう。

こんな私のもとに生まれてきた子供はどんな気持ちで育つことになるのだろうと考えると、私に子供を産む資格などあるのだろうかと思います。

 

そんな自分の心境も相まって、最近はこういう話を見ると将来の自分に置き換えて想像するようになりました。

いろんな人がいて、いろんな家庭の形がある昨今でしょうから、どれか一つが正解ということはないと思います。でも親になるのなら、子供に「こんな家に生まれてこなきゃよかった」というような思いだけはさせたくないものです。