食の恨みほど深いものはない。
早いものでもう2月ですね。
私は毎日仕事に追われ、休みの日は泥のように眠りたいのに年のせいか長く眠ることもできない、そんな生活を送っております。
今日、スーパーに行ったら美味しそうがオクラが売っていました。
オクラっていつが旬なのかわかりませんが、大きくてでも安くてとても美味しそうでした。
オクラならさっと湯通しして輪切りにし、納豆・豆腐・春菊とあえてご飯にかける丼が一番好きです。
一本丸ごと豚肉で巻いて、しょうゆ・みりん・酒であまじょっぱく味付けすればお弁当にもピッタリなおかずになります。
あぁ、考えただけでよだれが出てきそう…
オクラを眺めながら、頭の中で大好きな料理たちが頭を駆け巡ります。
しかし、私はオクラを買うことができませんでした。
なぜなら、私の夫がオクラを食べれないからです。
オクラだけではありません。私が結婚してから、食べたくても諦めてきた食べ物は数知れず。
キムチ、辛口のカレー、パスタ、鍋、そしてすべての貝類。
夫はかなりの偏食家で食べることに興味がなく、美味しいと言って食べるのは肉とラーメンだけ…
辛いものは全部嫌いで、辛党の私は家で中辛のカレーを作るという屈辱を味わっています。
野菜も嫌いで、今のような寒い時期、鍋が美味しい季節だというのに「鍋は量が多いし、野菜がいっぱい入っているから嫌だ」と言って頑固拒否。きっと鍋は食べないまま春を迎えることになるでしょう。
魚介類に関しては夫が最も憎むべき食材で、特に貝類は一切口にしない。あさりの味噌汁、ハマグリのお吸い物、酒蒸し…漁師の孫に生まれ、子供の頃から魚介類大好きな私には肉生活がつらい…
そしてかろうじて食べてくれる焼き魚も食べ方のあまりの汚さにケンカになりかけたこと多数。最近はあらかじめ骨を取って、身をほぐして、なるべくお互いのストレスがないよう工夫しています。
もう、書き出したら止まらないほど私の食べたくても食べれない恨みつらみが溢れています。
そう聞いて「じゃあ、自分だけ食べればいいじゃん」と思う方もいるかもしれません。
でも、そうはいかない。
一回の食事でまったく違うものを2人分作るなんて超めんどくさいし、食材も余る。
夫がいない休日の昼食も、夫のお弁当のおかずの残りなどがあるので新たに作るまでもない。
夫はお酒が飲めない&友達がいない人なので飲み会も年1回くらいしかいかないからほぼ毎日一緒に食事。
そんなわけで、私は自分が食べたいものをぐっとこらえて夫も食べられる当たり障りのない食事を作るのです。
もちろん、夫が偏食家であることは結婚前から知っていました。だから、こうなることもわかっていました。
そこは自分が妥協しようと決心して結婚したけど、美味しそうな一袋98円のオクラを目の前に買うことすらできないとなると、思わず愚痴ってしまいたくなる日もあるのです。
こう書くと私ばっかり我慢しているようですが、実は夫も頑張っています。
先日、お弁当にじゃこご飯を入れたのですが、夫はじゃこご飯が大の苦手。
そんなこと知らずに作って美味しくできたのでいっぱい入れたら、そのお弁当の3日後くらいに「実はじゃこ苦手なんだよね。もう入れないで…」と衝撃の告白。
でもお弁当はきれいに食べて帰ってきたので、その時はまさかじゃこが嫌いだなんて思いもよりませんでした。
私に気を遣って嫌いなものを頑張って食べて、怒らせないように日を置いてから言ってくれたのかなと思ったらとてもうれしくなりました。
結婚生活は思いやりと譲り合いの気持ちが大切なんだなぁと食生活を通して思うのでした。